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高瀬 和之; 功刀 資彰; 小川 益郎; 関 泰
Nuclear Science and Engineering, 125(2), p.223 - 231, 1997/00
被引用回数:11 パーセンタイル:65.44(Nuclear Science & Technology)核融合炉の真空容器が破断した場合、圧力差による空気置換が行われた後、破断口部には真空容器内外の温度差に起因する浮力駆動型置換流が形成される。この置換流によって、真空容器内に存在する放射化ダストの微粒子やトリチウムは炉外に同伴されることが考えられ、核融合炉安全性の観点から真空破断時の置換流挙動を把握することは大変重要である。そこで、核融合炉のトカマク型真空容器を縮小簡略モデルで模擬した実験装置を使って、作動流体にヘリウムガス(容器内部)、空気(容器外部)を用い、真空破断予備実験を行った。その結果、置換量は破断口の数や真空容器設置面から破断口までの鉛直方向距離に大きく依存することがわかった。また、真空容器上部が破断した場合には破断口を通る置換流は対向流となるため置換流挙動は抑制されること、並びに、容器側部が破断した場合には置換流は成層流となるため置換流挙動は比較的スムースに進行することが判明した。さらに、真空容器内の置換量は、破断口径の増加とともに増大し、破断口長さの増加とともに減少することを実験的に明らかにした。
高瀬 和之; 功刀 資彰; 小川 益郎; 関 泰
16th IEEE/NPSS Symp. on Fusion Engineering (SOFE '95), 1, p.317 - 320, 1996/00
核融合炉の真空容器が破断した場合(LOVA)、圧力差による空気置換が行われた後、破断口部には容器内外の温度差に起因する浮力依存型置換流が形成される。この置換流は、放射化物質等を炉外に放出し続けるため、汚染領域の拡大につながる。そこで、核融合炉真空容器を模擬した縮小簡略モデルを使って、作動流体にヘリウムガス(容器内部)、空気(容器外部)を用い、破断口径一定の条件のもとでLOVA模擬実験を行い、破断口の個数及び位置が置換流量に及ぼす影響を調べ、次の成果を得た。(1)置換流量の値は破断口位置には無関係である。(2)置換流量は容器設置面から破断口までの鉛直方向距離に大きく依存する。(3)容器上部に1個の破断口がある場合は破断口を通る置換流は対向流となるため置換流挙動は抑制される。一方、容器側部に一個の破断口がある場合は、流体の密度差によって破断口の上半分より流入し、下半分より流出する置換流挙動を示す。(4)破断口が2個の場合には、一方が流入口、他方が流出口となるため、置換流挙動は破断口が1個の場合よりも急激に進行する。(5)置換流挙動は、遷移領域を除き、置換流のフルード数と経過時間とは比例関係にある。